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チタンの生物学的劣化

現在、通常に使用されているチタンインプラントは新品のものでも、その表面性状は劣化しています。これは、空気に触れているチタン金属にとって避けがたいことです。
チタンは製造後、空気中の炭素と反応することで表面性状に変化をきたし、1週間のうちには生体に埋入した際に好ましくない状態に変化しているのです。
これを“チタンの生物学的劣化(バイオロジカルエイジング)”と呼びます。

図 表面電荷の変化

製造直後のチタン(Ti)の表面はプラスに帯電しており、このままであればマイナスに帯電している骨新生タンパク質や骨芽細胞がTi表面に積極的に近づいてきてTi表面に骨を作っていけます。
ところが、空気に触れているTiの表面には炭素(C)が付着し、表面がマイナスに帯電してしまいます(=バイオロジカルエイジング)。このためTi表面には骨新生タンパク質や骨芽細胞が強く引き付けられることがありません。

インプラント治療をより確実な治療法とし、さらなる成功率の向上を図るためにはチタン表面の劣化(バイオロジカルエイジング)を看過することはできません。
チタン表面の劣化を克服することにより、インプラント治療の治療期間の短縮、適応範囲の拡大、信頼性の向上など多くのメリットが望めます。

“チタンの生物学的劣化”を克服するために開発されたのが“光機能化”技術です。
チタンインプラントを生体に埋入する直前に一定の波長の紫外線を複数当てることにより、チタン表面の炭素を除去し、製造直後の状態へ戻し、インプラントと生体とが馴染み易い状態に改善する技術です。

図 光機能化技術

光機能化によりTi表面についた炭素(C)を除去し、Ti表面を再びプラスに帯電させることができるのです。

この光機能化技術は、UCLA(カリフォルニア大学ロサンジェルス校)の小川隆広教授(九州大学出身)と日本の光技術のトップメーカー(ウシオ電機)によって開発され、すでにヨーロッパやアメリカでは歯学教育に取り入れられ、世界で標準化しつつある画期的な技術です。

光機能化技術の開発者 小川隆広UCLA教授

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光機能化技術の利点

光機能化技術の利点としては、

  • 1.インプラント表面の劣化の原因となる炭素を除去する。
  • 2.劣化したインプラント表面のマイナス電荷をプラス電荷に変えることにより、表面がマイナスに帯電した生体蛋白(血液等)を付着しやすくする。
  • 3.疎水性のインプラント表面を超親水性に変える。 この結果、
    • 1)インプラント表面に骨を作るタンパク室・骨芽細胞を引き付ける。
    • 2)インプラントと骨との接着能力が大幅に改善される。
    • 3)治癒期間が短縮される。
    • 4)難症例の適応化
    等の臨床的な恩恵がもたらされます。

Youtube 動画 超親水性

You tube動画 “光機能化による超親水性の獲得”はこちら

現在、世界中の研究機関から光機能化によるインプラント治療への画期的な効果が続々と報告され、科学的裏付けが急速に蓄積されています。

チタン表面への培養細胞の付着性と増殖性の試験
左の古いチタンでは培養細胞は付着性が低く増殖も少ないのに対し、右の光機能化したチタン表面では培養細胞が多く付着しより活発な増殖が観察されます

チタン表面に接触成熟した骨の状態を比較したものです。左の古いチタンでは53%の骨接触しかできませんが、右の光機能化したチタン表面には98%以上の骨接触が可能となります。骨の接触率は、治療期間の短縮、長期的なインプラント体の安定につながります。

真ん中の白い部分がインプラントチタン本体。周囲の黒い部分が空隙、その周囲の白い部分が既存の骨組織です。
左の古いチタンでは既存の骨組織(周囲)からしか新生の骨が新生してこないのに対して、右の光機能化したチタンでは既存の骨組織のみならずチタン表面から(黒い部分の中心と周辺から)も新生の骨組織が造成してきているのがわかります。

光機能化に関しての情報はこちら
http://hikarikinou.officialwebsite.jp/image/B8F7B5A1C7BDB2BDA4CEB3B5CDD7A3B2.pdf

光機能化の開発者 小川隆広UCLA大学教授のはなし

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当院での取り組み

リキタケ歯科医院では、光機能化技術のために セラビームアフィニー(TheraBeam Affiny)を導入し、すべてのインプラント治療に使用しています。

光機能化に対して通常の医院では3~5万円の費用を課すところが多いところ、リキタケ歯科医院では、当面のところ無料で行っています。
インプラント治療は、十分な計画準備と先端の技術により、安全で安心に確実に行えることを広めるためにリキタケ歯科医院は努力していきます。

セラビームアフィニーの使用方法

今、埋入されようとしているインプラントは劣化していませんか?


インプラントをより長くより確実に使用していただくために、光機能化したチタンインプラントを使用してください。

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